前回の記事「「AIって、適当なこと言うでしょ?」とお思いの方へ」では、NIGIWAIアシスタントが「与えられた情報だけをもとに答える」AIであること、学ばせた分だけ頼もしくなることをお話ししました。
すると今度は、こんな声が聞こえてきそうです。
学ばせればいいのはわかった。でも、何を教えればいいのかわからない。
実は、これがいちばん多いご相談かもしれません。今回は「教えるネタはどこにあるのか」を、具体的にご紹介します。
まずは「今あるもの」を全部渡す
ゼロから資料を書き起こす必要はありません。最初の学習データは、すでに施設にあるものたちで十分です。
- 客室に置いている宿泊ガイド(PDFやWordのデータ)
- 施設のウェブサイト(URLを登録するだけ)
- フロントに貼ってある案内文や、よくある質問への回答メモ
「こんなものまで役に立つの?」と思うような資料でも、まずは渡してみてください。お客様からの質問は意外なところに飛んでくるもの。情報は多いに越したことはありません。
教えるネタは、日々の現場に転がっている
手元の資料を渡し終えたら、次の供給源は「日々の現場」です。あらためて探しに行く必要はありません。毎日の業務の中に、教えるネタはすでに転がっています。
- 日報や引き継ぎノート。スタッフ間で共有している連絡事項には、お客様対応のヒントが詰まっています
- お客様からの声。アンケートや口コミで「わかりにくかった」と書かれたことは、次のお客様も迷うポイントです
- クレーム。耳の痛い話ほど、裏返せば「事前に案内しておくべきだった情報」です
- スタッフが日々聞かれること。フロントで、廊下で、お客様に聞かれたこと。その場で答えて終わりにせず、メモしておく
特におすすめしたいのが、最後の「聞かれたことメモ」です。聞かれるたびにメモするのは面倒に感じるかもしれません。でも、そのメモを後でまとめてNIGIWAIアシスタントに学ばせれば、同じ質問がスタッフに届く回数はぐっと減っていきます。面倒の先払いで、未来の手間が減っていくのです。
「めったに聞かれない質問」こそ、覚えさせる価値がある
「よくある質問」を学ばせるのは当然として、見落としがちなのが、1年に数回しか聞かれないような質問です。
- 「お雛様って飾ってますか?」
- 「○○の花火大会、部屋の窓から見えますか?」
- 「車椅子のまま入れるお風呂はありますか?」
- 「夜中に体調が悪くなったら、近くに救急病院はありますか?」
めったに聞かれないからこそ、いざ聞かれたときにスタッフが答えに詰まる。調べて折り返すあいだ、お客様を待たせてしまう。そんな質問ほど、一度教えておけばAIは確実に覚えていて、何年経っても即答してくれます。レアな質問への答えこそ、施設の財産として蓄積していく価値があります。
「答えられなかった質問」が最高の教材
そしてもうひとつ。NIGIWAIアシスタントは、お客様の質問に答えられなかったとき、その内容をレポートとして施設に報告します。
レポートに上がってきた質問は、「お客様が実際に知りたかったのに、まだ教えていなかったこと」。つまり、次に教えるべきネタを、AI自身が見つけてきてくれるのです。
答えを用意して学習させれば、次に同じ質問が来たときには、きちんと答えられるようになります。最初から完璧を目指す必要はありません。運用しながらレポートを見て、少しずつ抜けを埋めていく。この繰り返しで、AIコンシェルジュは現場に合わせて着実に育っていきます。
ネタ集めは、施設をあげてみんなで
ここまで読んで、「全部ひとりでやるのは大変そうだ」と感じた方へ。そのとおりです。ひとりでやるのはなかなか骨の折れる作業です。
だからこそ、ネタ集めは導入担当の方がひとりで抱え込まず、施設のみんなでやってください。
お客様は、フロントだけで質問するわけではありません。廊下ですれ違った清掃スタッフに、マッサージルームで施術中に、レストランでホールスタッフに。それぞれの持ち場で、それぞれ違う質問を受けています。
つまり、スタッフ全員がそれぞれ「自分だけが知っている質問と答え」を持っているのです。それを持ち寄れば持ち寄るほど、AIコンシェルジュはより賢く、より頼もしく育っていきます。
そして、みんなで育てたそのスタッフ(NIGIWAIアシスタント)は、辞めることがありません。人の入れ替わりとともに失われてきた現場の知恵が、施設の財産としてずっと残り続けるのです。
ネタ探しに、特別なスキルはいらない
まとめると、教えるネタの集め方はこの5つです。
- 今ある資料(宿泊ガイド・ウェブサイト・案内メモ)
- 日々の現場(日報・引き継ぎノート・お客様の声・クレーム・聞かれたことメモ)
- めったに聞かれないレアな質問
- 答えられなかった質問レポート
- ネタ探しはスタッフ全員で
どれも、新しく何かを生み出す作業ではありません。現場にすでにあるものを、みんなで持ち寄ってAIに渡していくだけ。それだけで、NIGIWAIアシスタントは「あなたの施設のことを誰よりも覚えているスタッフ」に育っていきます。
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